もう話をして良いだろうか。

あの時、私は雷に打たれたような衝撃に襲われた。

あの日、その男性はやってきた。法要の連絡をしにきてくれた。ご不幸事、言葉がけできるわけでなく、視線も落とし気味で聞いていた。

日時の確認でふと視線をあわせると、元気なさげにも笑顔がでていた。たぶん悲しみを振り切る笑顔だとは思った。

その時、私は燃えていた。。。ではなく、燃やしていた。お風呂の準備で薪を燃やしていた。

彼が帰られてから、ふと洗面所の鏡をみた。

口の周りに黒の丸い、火吹き棒の後。

ドオーーン! 雷おちたーーーー!

薪を燃やすときに必須の、竹で作った火吹き棒は、使用後に口の周りを洗わないと、ドロボウ髭の模様がつく。

子どもの時に、コップを吸って口の周りに型をつけて遊びませんでしたか? あんな感じ。

もしかして、あの笑みは、ドロボウひげを見て?

言ってよ~~~!!!

まったく 大人って、肝心な時に気を使ってくれる! 

悲しみの中の彼が、笑ってくれたら良いか、、、

こうして私も大人になっていく。。。

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